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魔女の逆襲第9話 ◆oEsZ2QR/bg

りぃんりぃん

 ピンポーン。
 インターフォンが鳴る。
 早百合は自分の体に巻いた羽毛布団に、顔だけ出した状態で目を覚ました。
 カーテンの隙間から差し込む光は、先ほど起きた時の方向とは反対側に差し込んでいた。
 今何時ぐらいだろうと思い、ベッドの棚にある携帯電話を取ると時刻は午後4時。どうやら結局簀巻きのまま6時間も寝ていたようだ。
 昨日寝たのが午後12時、今が4時。もしかしたら自分は24時間連続睡眠ということができるのかもしれないと思ってみる。
 意識ははっきりしている。朝みたいな頭のくらくらは無い。ただすこし喉は痛いがこれも明日にはだいぶひくだろう。
 ピンポーン。
 もう一度鳴るインターフォン。
 早百合はその音に起こされたことに気付いた。
 二階の窓のカーテンの隙間から玄関を見ると、学校師弟のスポーツかばんを持った学生服の良樹が立っていた。
 良樹がお見舞いに来てくれたようだ。早百合はなぜか心の底からうれしくなってきた。
 良樹が自分のために行動してくれる。そう思うと気分が高揚して、もっと何か良樹に何かしてほしくなってくる。
 早百合はカーテンを開け、窓を開け、縁に手をかけて体を乗り出した。外は無風で肌に当たる日の光が暖かくて気持ちよい。
「よしきぃ!」
 インターフォンを押して反応を待っていた良樹は、早百合に突然呼ばれて二階の窓の方へ顔を向けた。なんども家に遊びに来ていた頃は窓から呼ばれて、玄関と二階の窓で会話することも多かった。
 早百合はこうやって良樹を二階から呼ぶのは久しぶりかもしれないと思った。小学生ぶりか。
「良樹ぃ。私のお見舞い?」
「え…? あ、早百合……ぶっ!」
 良樹は早百合を見るなり、いきなり噴出した。そしてあわてたように目をそらす。
 顔を向けた二階の窓には上半身裸の早百合が窓から体を出していたからだ。
「ん、どうしたの? もしかして鍵開いてない? あ、すぐ開けるわ!」
「そんなことより服を着ろって!」
「え…? きゃぁっ!」
 自分の状態に気付く。そうだった、自分はショーツ一枚で布団に包まっていた。そして声につられてそのまま体を出してしまった。
おっぱいまるだしのまま。なんてことだ、人様に、しかも良樹に貧相な体をさらしてしまったっ。
 慌てて胸を押さえてカーテンを閉めると、早百合は自分のあまりの情けなさと恥ずかしさに一気に紅潮した顔を抑えて、床に散乱していたくしゃくしゃのパジャマに袖を通す。
「なんで、私こんな恥ずかしいことしちゃったの!」
 真っ赤になって早百合は叫んだ。
 カーテン越しに見ていたときは、少なくとも自分がショーツ一枚だということに気付いてたはずなのに、気付いてたはずなのに、
良樹が来たとわかった途端……そんなことは忘れて反射的に窓を開けて呼んでしまった。
 
 りぃん

 パジャマを着ると、赤い顔をクールダウンさせるように一段づつ、階段を降りる。
 自分の家はちょうどクレヨンしんちゃんにでてくる野原家のガス爆発でなくなった家の間取りと似ていて、階段を下りた先にすぐ玄関がある。まぁどこの家も玄関のすぐ横に階段があるが。
 ぱたぱたと降りて、玄関の鍵を開けた。
「やぁやぁ。兼森良樹! よくきたね。うれしいよ。うんうんっ!」
 早百合は先ほど自分のおっぱいをまるごと見られた動揺からか口調がしずる調になっていた。
 良樹の顔はまだ赤かったが、ちゃんとパジャマを着てきた早百合に安心して
「あ、うん。 プリント渡すついでにお見舞いに…」
 と、言いかけ、早百合の姿をもう一度見て…赤い顔をさらに赤くして一言。
「ズボンも履けよ!!」
「ふぇ…。ひゃっ!」
 慌てた早百合は、パジャマのズボンをはき忘れていた。さらに早百合はスウェットタイプのパジャマを使っていた。
故にシャツタイプとは違い、自分の水玉のショーツは一切隠れることなく、逆三角形の形をまるまると晒していたのだった。しかも、色気が無いという救いようの無さ。
「ご…ごめんっ。すぐに着てくる!」
 またどたどたと階段を駆け上がる早百合。
 結局早百合は、良樹におっぱいからパンツまでかなりの部分見られてしまったのであった。
りぃんりぃん。

 早百合が慌ててパジャマのズボンを履こうとして倒れ、スタンドミラーに頭をぶつけ悶絶している頃。
早百合の家からかなり離れた町の大きな高級スーパーでしずるは買い物籠を片手にフルーツの品定めをしていた。
「こっちの林檎は赤いが…ツルが萎びているな…。やはりこっちにするか…、しかしこっちも捨てがたい…」
 何十個も綺麗に整頓された高級スーパーの棚のピカピカの林檎を見比べ、赤さや大きさを調べ、さらに香りや、指ではじいた音などおいしい林檎の見分け方を全て実行し、念密に見分けていく。そして棚の中でも一番良いと思ったものだけを自分の籠へ。
 ひとつの果物を選ぶのに5分以上も時間かけている。だいぶこだわっているようだ。
 ようやく、満足するものを選ぶとそれを買い物カートの中へ綺麗に並べる。籠の中には美しい果物が山ほど並んでいた。
「メロンにマンゴーに林檎に…。…うむむ、柿は果物にはいるのか? トマト姫の柿っ八はたしか野菜扱いだった気が…」
 しずるはカートを押すと今度は柿の棚へ。
 そこでまたひとつひとつ柿を検閲してゆくのだ。
 普通ひとつの果物の前に、ましてやセレブご用達とも言われる高級スーパー、味も品質も一級どころか特級品の棚の前に5分も10分もいれば他の客に迷惑になり注意されるものである、それにしずる自身も選ぶのに気が散る。
 しかし、彼女は果物を選ぶのに全神経を集中して選ぶことでできた。
 何故か? 彼女の周囲に人が近づかないからである。というか近づけないのである。
 しずるが鬼も金棒抱えて金縛りになりそうなほど、目を光らせて果物を選ぶ姿に怖気づいたわけではない。(一応それもあるのだが)
 原因は単純に彼女の服装である。
「むぅ、柿は良いものがないな…。仕方がない、柿っ八を信用して、柿は果物と数えないことにしておこう」
 彼女は真冬だというのに体操服だった。ジャージでも着ればいいのに、そんなダサいモノは着てられるかという態度である。寒くないのだろうか。
 さて、上は体操服なら下にはいているのは割れ鍋に綴じ蓋のごとく、ご想像通り定番中の定番、
 
紺のスクール水着である。

 …いや、待て。
 しずるはスクール水着を着たさらにその上に白の体操服を着た格好であった。
 ぱっつんぱっつんの若干キツめで股に少し食い込む紺のスクール水着、そしてその上に野暮ったく袖を通している体操服。さらにスクール水着の紺が目立つためか白の体操服の表面にぴっちりとしたしずるの胸ラインが紺色に浮かんでいた。
 そして、そんな女の子が高級スーパーでものすごい眼力で果物をチョイスしているのである。
 そりゃ、誰も近づかねぇよ。
 しかし、しずるは自分の格好なぞどこ吹く風、周りの視線など完全無視で買い物を続けているのであった。
 歩くごとに磁石のように避けてゆく人々。着物姿で白く白粉を塗った上品なおばあちゃんや場違いなところに来てしまった紫に染まった髪のおばちゃんでさえも彼女の半径4メートルを綺麗に避けて通る。
「これぐらいにしておくか。あんまり買いすぎるとかえって迷惑だからな…」
 自分の買い物に満足したしずるはカートをくるりんと反転すると、そのままレジへと闊歩する。
 体操服にスクール水着という格好で店内を堂々とレジへと向かってくる少女(しかもかなりの美貌である)にこの店の支配人も唖然とした表情であった。
「会計。コレ全部だ」
 どしんとレジに置かれる買い物籠。顔が引きつるレジ打ちの従業員。
 が、そこはさすがに高級スーパーのサービス業店員である。動揺の顔は一切隠して、いつもの爽やか営業スマイルでひとつひとつレジを通してゆく。
「全部で2万4890円です」
「これで。釣りはいらん。外に居る赤い羽根共同募金の箱につっこんどいてくれ」
 しずるは諭吉が描かれたピン札を三枚、体操服のVラインの中から取り出し(ということはスクール水着の胸部分に挟んで仕舞っていたのか?)レジに置くと、そのままカートを押し、袋も受け取らずにスーパーを出て行った。
 残されたのはピン札を前にした従業員と客である。慌てて従業員は札が偽札ではないかと透かしやナンバーを調べてみたが、正真正銘の日本銀行が平成16年に発行した日本銀行券の一万円三枚だった。

 これが隣町でじきに噂になる「スク水体操服の魔女」の根源である。

りぃん
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